こどまどブログ

気仙沼市で活動する子どもの居場所「こどまど」のブログ

気仙沼拠点の名前決定&地域の親子と看板作成

前回の記事でもお伝えした通り、子どもの足で行ける場所に一軒家を借りて、子どもがゆっくり過ごし、私たちがじっくり関わる拠点事業が始動しました。

今回は気仙沼の拠点の名前が決定しました。
その名も…

 

「こどまど」

 

子どもの窓の略です。子どもが置かれている状況が見えにくい今、大人と子どもの間にある壁をくり抜いて窓を開き、大人に対してメッセージを発信していこう!そして、大人の皆さんに、この窓から“今の子ども”を見つめてほしい!という意味の名前です。子どもの環境を変えるのは、まわりにいる大人です。私たちはそこに発信していかなければいけません。


さて、名前が決まったので、いろいろと進められる作業が増えました。まずは看板づくり。この拠点の顔になる重要な部分です。それから、紙媒体のお知らせづくり。地域の方に発信するなら、ネット上だけでなく紙を配りながらお話しできると、より活動に共感してご理解いただけると思います。最後に、ブログの作成。この記事のように、日々の動向を随時お知らせすることができます。

 

今回お伝えする大きな動きは、看板ができました、ということです。

すごく素敵な看板ができました!

 

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というのも、地域の親子とボランティアの方が手伝ってくださったからです。

 

看板を作った日、私たちは家具を設置したり、掃除をしたり、拠点の整備をしながら目の前の道を通る人には「今度ここで子どもの居場所を開こうとしています、よろしくお願いします」と必ず挨拶をしていました。

 

すると、通りかかったある親子はとても興味を持ってくださいました。その時は、そのままお別れしましたが、数時間後、看板作成の準備をしていると、

「すいません、この子が手伝いたいというので」

と、母親と子どもが2人で再び訪れてくれたのです。

看板は、寄付でいただいた木の板に、ボランティアの方がデザインし、親子が加わって色を塗って完成しました。

 

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最初は一緒に色を塗っていた親子でしたが、途中で子どもが「色塗りはあきた~」と言って、拠点の中を探索し始めました。変なものを見つけては報告に来て、とても楽しそうにバタバタ走り回っていました。

ハート型の石、曲がった針金、ホタテの貝殻、Jの字の釘、キレイな木材、階段下の小さな扉、家の裏の小道…

彼が見つけてくるものは、素朴だけれど面白い発見ばかりでした。

 

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一方、残って作業することになったお母さんはというと、子どもの事を気にかけながらも丁寧に板に色を塗っていました。

 

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作業が終わってみると、

「なんだか、すごく楽しかった。久しぶりにこんなに笑った気がします。子どもと一緒に来たはずが、私も楽しめました」

と満足そうに完成した看板を眺めていました。


親子それぞれ、どちらが無理をするでもなく、ゆったり過ごせる空間。それはどちらにとっても、良い時間になったのではないかと思います。特に子どもは「楽しい場所ができそうだ!」とソワソワしていました。
「興奮しすぎて、今晩寝られないんじゃない?」
とお母さんに笑われるくらい、楽しみにしてくれているようでした。

 

子どもの数が減少している気仙沼。これまで私たちは、拠点を構えて事業を始めたものの、今までやってきた移動型遊び場とは違って一か所なので、子どもに出会えるだろうかと不安を抱えつつ準備をしていました。この親子との出会いは、私たちにとってもホッと安心できた出来事でした。